今回いくつかのサイトをConoHa Wingへ移転してみました。
ConoHa Wingには「簡単移行機能」があるので、サーバー間の移転がとても簡単です。難しいのは確認作業くらいですね。
という事でConoHa Wingの簡単移行機能の使い方や注意点など図解で紹介していきます。
ConoHa Wingへの移転する時の注意点
注意点は2つです。
- 移転の確認はhostsファイルで行う
- 記事の更新などはDNS設定して3日後が目安
注意点1.移転後のサイトは「動作確認URL」ではなく、hostsファイルの編集をして確認する
まず、移転の確認に「動作確認URL」を使う書かれているサイトが多いですが、WordPressに関してはhostsファイルを使った確認が必要になります。
ConoHa Wingだけでなく、他社サーバーでも移転後のサイトを確認する「動作確認URL」という機能があります。
各サーバーの「動作確認URL」というのは普通のホームページのような静的なページの確認をするための機能なので、WordPressのような動的サイトの確認は正確にできません。
また、「動作確認URL」では移転先の管理画面もログインして確認ができません。
そのため、WordPressの移転には「動作確認URL機能」ではなくて、hostsファイルの編集が必要です。
自分のPCのhostsファイルを編集すると自分のPCだけ移転先のサーバーに構築したWordPressを確認できます(管理画面も含めた全てのページ)。
ちなみに「動作確認URL」についてConoHa Wingに実際に問い合わせてみた時の回答が以下です。
現在、動作確認URLを設定されている「◯◯◯◯.com」はWordPressにて運用されているようでございますので、正常に閲覧がかなわない場合がございます。
このため、hostsをご利用の上で動作確認を行ってくださいますようお願いいたします。
注意点2.記事の更新などはDNS設定して3日後が目安
移転元と移転先それぞれに同じWordPressができます。どちらのWordPressを表示するか?はネームサーバー(DNS)で切り替えできます。ただし、DNSの設定はすぐには反映されません。
その間はどちらのWordPressが表示されるか分かりませんので、記事を追加すると元サーバー側では記事追加できてるけど、新サーバー(ConoHa)には記事が追加されていないという問題が出てきてしまいます。
そのため、最後DNSサーバー切り替えをしてもしばらくは記事追加などは控えるようにしておきましょう。
ConoHa Wingへ移転する流れ
- ConoHa Wingで独自ドメインを設定する
- ConoHa WingでDNS設定をする(必須ではない)
- WordPressのインストールとデータ移行
- hostsファイルの編集をして移転先サイトの確認作業(確認不要なら必須ではない)
- 移転先のサイトの確認し、問題なければhostsファイルの記述を戻す(確認不要なら必須ではない)
- ネームサーバー(DNS)の切り替え
- ConoHa WingでのSSL設定をする
- ConoHa WingのDNS設定を元に戻す(設定してなければ必須ではない)
という流れになります。難しいように見えますが、実際にやってみるとそれほどでもありません。
作業的にはデータの移転はすぐですが、確認作業の方に時間がかかります。そのため、移転後の確認などが不要なら作業はかなり少なくなります。
手順1.ConoHa Wingで独自ドメインを設定する
ConoHa Wingにログインしておきます。
ログインできたら管理画面から「サーバー管理」⇒「ドメイン」を選択して右上の「+ドメイン」をクリック。
「新規ドメイン」を選択して取得したドメインを入力。「無料独自SSL」は利用しないを選択して「保存」をクリック。
※SSL設定はサイト移転後、ネームサーバー設定してからでないとエラーがでます。
以上でドメインの設定は完了です。
手順2.ConoHa WingでDNS設定をする(必須ではない)
ConoHa WingでDNS設定をしていきます。
サーバーの移転後にSSL設定というのをするのですが、SSL設定が完了するまでの間しばらくサイトの表示ができない状態が発生します。
↓SSL設定完了するまでこんな感じに表示されます。
なのでこのサイトが表示されない時間をなくすために、ConoHa WingのDNS設定というのを設定する必要があります。
ConoHaのDNS設定で必要になるのが「元サーバーのIPアドレス」なので移転元サーバーのIPアドレスを調べていきます。
※表示できない時間は長時間ではないので、別にしばらく表示されなくてもいいよって方はここは飛ばしてもOKです。
移転元サーバーのIPアドレスの調べ方
移転元サーバーのIPアドレスがわからない方は以下方法で調べてみて下さい。
移転元サイトがエックスサーバーの場合
エックスサーバーのサーバーパネルのアカウントという項目の「サーバー情報」をクリック。
表示される情報から「IPアドレス」の部分をコピーしてメモ帳等に貼り付けておきます。
移転元サイトがロリポップの場合
ロリポップユーザー専用ページの下の方にスクロールして「基本情報」の「ロリポップのドメイン」という部分のURLをコピー。
「SEOチェキ」というサイトでロリポップのドメインを入力して「チェック」をクリック。
チェック結果画面を少し下にスクロールすると「サーバ・ドメイン」という部分にIPアドレスが表示されてます。
移転元サイトがミックスホストの場合
cPanelにログインして右上の一般情報の項目内のサーバー情報をクリック。
共有IPアドレスまたは専用IPアドレスの欄を確認。
調べた移転元サーバーのIPアドレスを元にConoHaのDNSの設定をする
ConoHa Wingの管理画面の左メニューから「DNS」を選択して対象のドメインをクリック。
名称「@」と「www」の値を元サーバーのIPアドレスに書き換えます。
さらに「+」をクリックしてタイプ「A(通常)」、名称「*」、TTL「3600」、値「元サーバーのIPアドレス」を入力して保存。
これでConoHaのDNS設定は完了です。
手順3.WordPressのインストールとデータ移行
ConoHa Wingの管理画面から「サイト管理」をクリックして「切り替え」ボタンをクリック。
先程追加したドメイン(移転する)を選択して「切り替え」をクリック。
同じく「サイト管理」から「+アプリケーション」をクリック。
必要事項を入力していきます。
- アプリケーション:WordPress
- インストール方法:簡単移行
- バージョン:最新の方を選択
- 移行元URL:移転元サイトのURL
- サイトURL:wwwありなしの選択
- トップページのURL(空欄でもOK)
移転元のログイン情報と新規作成するデータベースの情報を入力していきます。
データベース名はサイト名がわかりやすいものがおすすめです(サイトが増えた時に管理しやすい)。
- 移行元ユーザー名:移転元でログインする時のユーザー名
- 移行元パスワード:移転元でログインする時のパスワード
- データベース名:わかりやすい名前
- ユーザー名:データベースのユーザー名
- パスワード:データベース用のパスワード
入力できたら「保存」。
サイトの移転ステータスが100%完了になればデータの移転は完了です。
この時点で移転元と移転先に同じWordPressが2つできました。
ただまだネームサーバーを切り替えていないので、移転先のサイトにログインしようと思っても移転元のサイトにログインされますし、サイトも移転元のサイトが表示されます。
「失敗しました。移行元サイトログイン確認入力形式が不正です」とエラー表示される場合の対処
「失敗しました。移行元サイトログイン確認入力形式が不正です」と表示される場合はログイン情報(ユーザー名やパスワード)が間違ってないか確認。
ユーザー名の入力もパスワードも間違ってないという場合は「移転元のパスワードが簡単すぎる」ためにエラーがでるようです。
- 半角英語の小文字を最低1文字使用する
- 半角英語の大文字を最低1文字使用する
- 数字を最低1文字使用する
- 記号(@,#など)を最低1文字使用する
- パスワードの長さを9文字以上にする
上記を満たすパスワードに変更して再度トライしたらうまくいきました。
手順4.hostsファイルの編集をして移転先サイトの確認作業(確認不要なら必須ではない)
現段階で移転元とConoHa Wingにそれぞれ同じ状態のWordPressが2つできた事になります。後は移転先のConoHa Wingでもきちんと同じように表示されるか確認する作業をしないといけません。
しかしながら記事冒頭でも説明したように最終的に「ネームサーバー(DNS)」を変更するまでは移転元でのWordPressが表示される訳です。つまり普段どおりにログインしてもそれは移転元の方にアクセスしてしまう。
ではどうやってConoHa Wingの方のWordPressにログインするかと言うとPCにある「hostsファイル」にちょっと設定を追加するだけでConoHa Wingの方のWordPressにアクセスできるようになります。
自分のPCの設定なので自分のPCからだけエックスサーバーのWordPressに接続できるというイメージです。
「hostsファイル」の記述に必要なのがエックスサーバーのIPアドレスです。先にこれを調べておく必要があります。
ConoHa WingのIPアドレスを調べてhostsファイル編集
ConoHa Wingの管理画面から「サーバー管理」⇒「契約情報」⇒「IPアドレス」を選択。
このIPアドレスが分かったら次はPCの「hostsファイル」を探します。
「hostsファイル」のある場所は次の通り。
Windows 8/7/Vista/XP →「C:\WINDOWS\system32\drivers\etc」
Windows 2000 →「C:\WINNT\system32\drivers\etc」
Windows 95/98/ME →「C:\Windows」
Macの場合hostsファイルの場所は以下です。
/private/etc
PCのスタートメニューから検索してみると「etc」というフォルダがあり、その中に「hosts」というファイルがあります。
hostsファイルの書き換え方法
まず「hosts」ファイルをwindowsのメモ帳で開くのですがメモ帳を開く時に右クリックをして「管理者として実行」をクリック。
ユーザーアカウント制御「次のプログラムにこのコンピューターへの変更を許可しますか?」と表示されるので「はい」を選択。
選択するとメモ帳が開くので左上の「ファイル」⇒「開く」をクリックして、画面上のメモ帳の検索窓に「C:\Windows\System32\drivers\etc」を入力して検索(windows10の場合)。コピペでOK。
後はメモ帳の右下にある「テキスト文書」という部分を「すべてのファイル」に変更すると「hosts」ファイルが登場。
出てきたhostsファイルを開いて、一番下に先ほど調べた「IPアドレス」と「自分の移転するドメイン」を記述します。例えばこんな風に。
127.0.0.1 dokidome.com 127.0.0.1 www.dokidome.com
IPアドレスとドメインは自分物に書き換えて「hosts」ファイルの一番下に追加。
IPアドレスとドメインの間には半角のスペース入れて「#」は付けないように。
これでhostsファイルを「上書き保存」したらOK。
hostsファイルの編集後、移転先のWordPressへログインできるか確認する
「hosts」の編集をしてから移転サイトへログインすると、ConoHa Wing側(移転先)のWordPressへログインできるはずです。
ただ、移転元も移転先も同じWordPressなので、どちらにログインしているか?は見分けが付きません。
移転先かどうか見分けるにはプラグインを確認して下さい。
ConoHa Wing側にログインできていれば「TypeSquare Webfonts for ConoHa」というプラグインがあります。
移転先のサイトにログインできない場合
hostsファイルの編集をしているのに移転元が表示されている場合は一度PCの再起動をすると移転先のWordPressに入れます。それで駄目ならサーバーのIPアドレス間違えてないか確認して下さい。
また、「このサイトは安全に接続できません」と表示される場合、
上記のような画面が表示される場合はURLが「https」でアクセスしてるので、URLを「http」に変更して再度検索してみてください。
以上でhostsファイルの編集も完了!
手順5.移転先のサイトの確認し、問題なければhostsファイルの記述を戻す(確認不要なら必須ではない)
ConoHa Wingの動作確認は念入りにしておきます。
全てのページ、管理画面、プラグインでエラーができないか?など確認してみて下さい。
確認作業が終了し、問題ない場合には「hosts」ファイルは追加した記述を削除して元に戻しておきましょう。
「hostsファイル」の記述を元に戻すと再び元サイトが表示されるようになります。
手順6.ネームサーバー(DNS)の切り替え
前述したようにネームサーバーを切り替えるまでは移転元のWordPressサイトが表示されてますので、ConoHa Wing側のWordPressを表示するようにネームサーバーの切り替えをしていきます。
今回はムームードメインを例にネームサーバー変更をしてみますが、どのドメイン業者さんもやり方はほとんど同じです。自分のドメインを管理している業者さんの所で変更をしてみて下さい。
ムームードメインの場合はログインしてコントロールパネルから移転する対象ドメインの「ネームサーバー設定変更」をクリック。
「GMOペパボ以外 のネームサーバを使用する」の部分のネームサーバー1~5に以下のようにConoHa Wingの情報を入力(みんな共通です)。
ネームサーバ1 → ns1.xserver.jp
ネームサーバ2 → ns2.xserver.jp
ConoHa Wingのネームサーバー情報ですが、「サーバー管理」⇒「契約情報」⇒「ネームサーバー」で調べる事ができます。
変更できたら「ネームサーバー設定変更」をクリック。
以上でネームサーバーの設定変更が完了ですが、ネームサーバーの変更の反映にはしばらく時間がかかります。
ネームサーバーを変更してもすぐには反映されません。そのため、移転元のサイトが表示されたりConoHa側のサイトが表示されたりという事がおきます。
その間に設定を変更したり記事を追加してしまったりするとどっちのWordPressに反映されるか分かりません。そのため、記事の追加などは3日ほど待った方が良いです。
手順7.ConoHa WingでのSSL設定をする
ネームーサーバーの設定ができたらSSL設定をやっていきます。
「サイト管理」⇒「サイトセキュリティー」⇒「無料独自SSL」の利用設定をON。
これでSSLの設定は完了です。
手順8.ConoHa WingのDNS設定を元に戻す
SSLの設定が完了したら念のため数時間待ってからConoHa Wing側のDNS設定を元に戻していきます。
ConoHa Wingの管理画面の左メニューから「DNS」を選択して対象のドメインをクリック。
名称「@」「www」「*」の値を最初の書き換える前のIPアドレス(ConoHa WingのIPアドレス)に書き換えます。
書き換えたら「保存」したらOKです。
最後に移転先(ConoHa Wing)のWordPressにログインして一般設定のアドレスを「https」に変更すればSSL化したサイトになります。
以上でConoHa Wingへの移転は完了です。
■ConoHa Wing公式ページ
⇒https://www.conoha.jp/wing/
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